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第25話 人斬りレッスン

Auteur: 瘴気領域
last update Date de publication: 2026-07-13 11:47:48

 準備を整えた私は、菖久とかいう侍を世境よざかい橋の下に連れてきた。そしてなぜかコガネちゃんもいる。「カナさん一人だと心配で……」とか言っていたのだが、一体何を心配しているのだろう。

「というわけで、特訓開始だ! まずはこれを斬ってみたまえ」

「これを斬るのか?」

 私が取り出したのは、試斬用の巻藁まきわらを人型に組んだものだ。青竹に使い古した俵などを巻いたもので、なんでも人間を斬るのと近い手応えになるらしい。

「うむ、名付けてマッキー君1号だ。ひと思いにやってくれたまえ」

「巻藁ならば慣れているが……」

 チンと甲高い鍔鳴り音。次の瞬間には、マッキー君1号は肩から腰にかけて両断され、どすりと重い音を立てて川原に上半身が転がった。抜く手も見せず……とはまさにこのことか。切り口を確認すれば刺し身の切っつけのようになめらかだ。山田浅右衛門の高弟という触れ込みは伊達ではないらしい。

「それでは、マッキー君2号。頼んだよ」

「先ほどと変わらぬではないか。顔に誰ぞの浮世絵が貼られているが……」

「いいからいいから。斬っちゃて斬っちゃって」

「う、うむ」

 マッキー君2号も無惨に両断
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  • ホームレスJCの大江戸繁盛記~現代知識を駆使して一攫千金を目指します!~   第28話 時を駆ける借金取り

    「見つけたぞ! 大場カナコぉぉぉおおお!! げほっ、ごほっごほっ」 今日も今日とて寄せ場で仕事を探していると、ずぶ濡れの女が現れた。黒縁の眼鏡に黒いパンツスーツ。生まれたての子鹿のように全身をぶるぶる震わせている。あっ、唇が紫色だ。真冬だというのに御苦労なことだ。「毎度毎度マシラオニ退治ばっかりじゃ飽きちゃうよねえ。何か変わった依頼はないもんかねえ」「あのう、カナさん? 何か呼ばれてるみたいですけど……」「しっ! 目を合わせちゃいけません! きっとアブナイ人だよ」「大場カナコぉぉぉおおお!!」 無視しようと思ったら、目を血走らせながら走り寄ってきた。まったくもうめんどくさいなあ。取立屋の中でもこいつが一番しつこかったんだよな。「ふふふ、上手く逃げおおせたと思ったら思い違いもいいところだ。皇國金融債権回収部隊長、鳥立流与様からは決して逃れられん! げほっ、ごほっ」「オウ? ユーは誰デスカー? 私はビッグプレイス・カナと申しマース。ルヨさん、ハジメましてデースネー」「えっ、あれ? いやお前大場カナコだよな?」「カナコ? ノー、ミーはカナですネー。ナイストゥミーチュー」「な、ナイストゥミーチュー……?」 私は外人のふりをし、ルヨの手をがっちり握ってシェイクハンドした。こちとら仕事探しの真っ最中なんだ。こんなやつに関わっている暇などない。「って、そんなので誤魔化されるかボケぇぇぇえええ!」「あ、バレたか」「バレるに決まってんだろ! 皇國金融を舐めるなッッ! 貴様の債権74兆3,031億円! 耳を揃えてきっちり支払ってもらうぞ!! げほっ、ごほっ」「ほーん」 まさか時空を超えて取り立てに来るとは、まったく仕事熱心なことである。まあ、意外と言えば意外ではあるのだが、こういう事態が生じることは想定の範囲内だ。何しろ私がこの世界に流されて来たのだから、他の誰かがやってきてもおかしくはない。「あの……どこのどなたか存じ上げませんが、まずは体を拭いた方が……」 ぶるぶる震えるルヨを見かねたのか、コガネちゃんが手ぬぐいを差し出した。「むっ、これはすまん。見知らぬコスプレイヤーの人」「こす……?」 ルヨは手ぬぐいを受け取ると、髪をがしがしと拭き始めた。ふふふ、この反応から察するに、案の定こいつもまだ異世界に来たことを認識してないな。

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